2022年3月19日土曜日

『リベラルアーツの学び』

芳沢光雄

「見直しで大切なことの一つに「疑う気持ちを強くもって文章を読む」ことがあると考えます。2006年の秋に「今の景気の拡大期間はいざなぎ景気を超えた」というニュースがありました。そのとき「いざなぎ景気」の年平均成長率が11.5%という報道と14.3%という報道の2つがあったのです。不思議に思って考えたところ、前者は相乗平均の発想で正しいものであり、後者は相加平均の発想で誤ったものであることが分かりました。」(p.126)

 という記述を読んだので、計算してみた。いざなぎ景気は、4年9ヶ月で67.8%の成長だったという。67.8を4.75年で単純に割ると、約14.3(%/年)になる、これが誤りの方の値。実際には、年平均成長率を x %として、(1+x/100)^4.75=1.678 となる x を求めればよいので、これを解くと、x≒11.51(%/年)となって、正しい値になった。四半期(3ヶ月)ごとに報告される成長率に合わせれば、(1+x/100)^19=1.678 として、x≒2.76(%/3ヶ月) なので、四半期毎に2.76%の成長が19期続いたことになる。もしこれがあと1年9ヶ月続いていたら、2倍(100%)の成長率になっていたことになる。(所得倍増を公約にしていた岸田首相に教えてあげたい。)「疑う気持ち」と併せて「やってみよう」という心がけも大切かと。

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