2022年3月6日日曜日

『知の体力』

永田和宏

「どんな大学に入学しても、どんな賞を獲得しても、心から喜んでくれる人がいなければなんの意味も持たない。ほんのちょっとした自分の行為を心から褒めてくれる存在があるとき、自分がそれまでの自分とは違った輝きに包まれているのを感じることができる。・・・ 愛する人を失ったとき、それが痛切な痛みとして堪(こた)えるのは、その相手の前で輝いていた自分を失ったからなのでもある。」(p.219~p.220)

 以前、とある機関誌に書いた原稿。「・・・荒井由実の歌に「人ごみに流されて変わってゆく私を、あなたはときどき遠くでしかって、あなたは私の青春そのもの」とあります。正に、その人がいるから今の私の存在価値があるというのは、何ものにも代えがたい内発的動機といえるでしょう。高校や大学時代に、是非「青春そのもの」といえる人を見つけてくださいね。青春とは「無茶ができること、そして、応援してくれる仲間がいること」と読んだことがありますが、「無茶」も「仲間」も人から言われてやるもの、つくるものではないですよね。・・・」 愛する人がいるということは、自分という器の中に宝物をもっているということ。器そのものにではなく、宝物にこそ価値があり意味があるということに気づくことなんだろう。

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