出口治明
「物事を考えるときには、既存の常識に囚われてはなりません。とくに新しい問題を解決するためには、常識を疑うことが何よりも重要です。疑った結果、間違っているとわかれば否定する。否定できるだけの証拠がなければ、長く続いてきた伝統や習慣はそのまま大事にしておけばいい。」(p.416)
コロナ禍でグローバリズムは衰退するのか、安楽死を認めるべきか、ネット言論は規制すべきか、・・・ 現在進行中の日本の課題をどう捉え、どう判断するか、自分の頭で考えることを促す。魚に水が見えないように、常識の中に囚われていることに気づかないことが多い。アメリカ留学では数々の荒波をかぶることになったが、言葉の壁は文化の違いや思考の違いであることを知り、見えないものを見ようとする心構えのようなものができた気がする(まだまだではあるが)。そうやって、アウェイの中で少数派であることに動じないアンカー(船の碇)を身につけていくのだ。