2022年2月9日水曜日

『知ってるつもり 無知の科学』

スティーブン・スローマン
フィリップ・ファーンバック

「人間と他の動物との違いは個体の知力にあるのではない、とヴィゴツキーは主張した。他者や他の文化を通じて学習できること、そして協力できることこそが違いである、と。・・・ 知識のコミュニティにおいては、知識を自分が持っているか否かより、知識にアクセスできるか否かのほうが重要なのだ。」(p.130~p.140)

 自分は自分が思っているよりずっと無知であることを自覚し、他者に耳を傾け集団に貢献しようとする姿勢や能力を磨けと諭す本。最先端の科学には分からないことがいっぱいある。どんな問いをたて、どんな方法で解明すればよいか、仲間とともに考え行動していく力を身につけたい。探究型学習やSTEAM教育が求められる根本がここにある。「外から入手できる知識と頭の中にある知識を混同してしまう」危うさに注意するよう念押しされている。

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