2022年2月19日土曜日

『一刀斎、最後の戯言』『森毅の置き土産』

森毅(福井直秀編/池内紀編)

「よく勉強するとよい点でハゲマシ、さぼると悪い点でイマシメ、なんてことがいわれるが、これは「学校方言」だろう。ハゲマシとイマシメの正統的使用法は、失敗にがっかりするなとハゲマシ、成功にいい気になるなといましめるものである。どちらにしても、「たかが試験で」というのが、本来のはげましといましめである。」『学校とテスト』森毅(p.11)から

 森毅先生が亡くなられて10年以上がたつ。先生のことばは今も私に視野の狭さを気づかせてくれる。学生時代に先生の授業を受けたが、むしろ教師になってから受けた影響の方が強い。「雑木山」というコラムには、学校は杉山を目指してはならない、ウルシやイバラやマムシに注意しながらも、道を曲がるたびにおどろきとよろこびがあるところであってほしいと願われていた。私の心の拠り所でもあった。森先生のことばを大切に思う人がこのような本を出版された。そして、改めて先生の膨大な執筆の記録に驚く。

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