2022年2月26日土曜日

『民主主義とは何か』

宇野重規

「政治において重要なのは、第一に、公共的な議論によって意志決定すること。第二に、決定されたことについて、市民は自発的に服従すべきこと。このような「政治」の成立を前提にして、初めて民主主義は実現します。」(p.50~p.51)

 民主主義の変遷は、平等な社会をつくるという理念の追求と、それを具体的な仕組みとして実現しようとする人々の行動の歴史である、と読み取る。「人々が地域的課題を自らの力で解決する意欲と能力をもつことが、民主主義の最大の可能性」とあるように、自分も社会の一員であり、社会を変えることができると信じることだろう。文部省著作の『民主主義』(1949)には次のような記述がある。「高い知性と、真実を愛する心と、発見された真実を守ろうとする意志と、正しい方針を責任をもって貫く実行力と、そういう人々の間のお互の尊敬と協力と ― りっぱな民主国家を建設する原動力はそこにある。そこにだけあって、それ以外にはない。」

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