2022年2月4日金曜日

『コロナ後の世界』

内田樹

 「なぜ、だれも読まない本を本棚に並べるというような「無駄なこと」をひとはするのだろうか。・・・ 壁を埋め尽くす書棚がその部屋の主人に、おのれの無知と経験の狭さを思い知らせるための装置であったというのはありそうなことである。」(p.232~p.233)

 この本では「反知性的」について、知的能力は高いがその人のせいで集団の知的パフォーマンスを下げてしまうような人物のことであると語られる。集団の中でも柔軟に自分の知識や考えをバージョンアップできること、相互啓発が新たな変化を生みだしていくことを願うこと、そんな行動こそが「知性的」なのだろう。ベテランの先生も、生徒に間違いを指摘されて「よく気づいたね」と褒める余裕がないといけない。書棚とも仲良くつきあいながら。

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