2022年2月5日土曜日

『答えのない世界を生きる』

小坂井敏晶

「異文化からもたらされる知識は、加算的に作用して既存の世界観を豊かにするのではない。新しい知識を加えるのではなく、いまある価値体系を崩す。これこそが留学の目的だ。」(p.40)

 1年間アメリカの大学で学び日本人学校で教えるという経験をした。これまでの自分の経験値が通用しない、自分の価値がどこにあるのか分からない、それでも自分の拠り所を求めてもがき続ける、・・・ 私の場合、こういった挫折や葛藤を経ることではじめて自分という器を変形できたと思う。「英語という外国語を学ぶことは、未知と向き合い異質性と格闘することだ」という鳥飼玖美子さんのことばにも共感する。グローバルリーダーというのは、挫折や葛藤に向き合う人の不安や傷みをしっかりと受けとめて支援できる人のことなのだろう。

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